セルフトークとは?
セルフトークとは心の中のつぶやきや独り言のこと。
人は1日に4~6万回ものセルフトークをしていると言われています。
「おなかすいたな」「トイレ行こうかな」
などの日常的なものもあれば、
「自分はできる/できない」「私って前にもこういうことで失敗したよな」
などの自己肯定感に関わるようなセルフトークもあります。
セルフトークの重要性
人はこのセルフトークに影響されています。
自分の心の中のつぶやきが「感情」「思考」「行動」に影響を与えて、最終的に自己イメージを形成します。
そして、今までの経験などで作られた自己イメージによってもセルフトークは作られます。
自己イメージとセルフトークはかなり密接な関係です。
- やはり自分は〇〇なタイプだ
- 私はせっかちだ
- 私は追い込まれたら燃えるタイプだ
- 肝心なところでいつも失敗してしまう など
ネガティブなものが多ければ、自分をネガティブにとらえてしまいます。
自己肯定感などにも関わり、自己肯定感は仕事・恋愛・人間関係などさまざまな場面に影響します。
セルフトークをないがしろにしてはいけないのです。
ネガティブなセルフトークをするリスク
ネガティブなセルフトークをし続けると人生の「生き辛さ」を感じることになってしまいます。
- 自信を無くす
- 自己肯定感が下がる
- 行動できない
- 頑張っているのに成果にならない
- うまく行かない人生
- 失敗ばかり
- 自分だけがダメなように感じる
- 自信がなくて人間関係を作ることにも苦手意識 など
たとえば、「なんて自分はダメなんだ」というセルフトークを続けると「自分はダメな人間だ」という思い込み・固定概念が強固になります。
人間は思い込み・固定概念どおりになる行動をとってしまいがちです。
たとえばこんなことがあります。
- やる気・モチベーションが下がる
- 結果につながる行動にすら制限をかける
- 目の前のチャンスや情報に気付かない
- どうせ無理だと決めつけてやろうとしない など
その結果、行動できない自分やなかなか成果がでず、「自分はダメだ」という思い込み・固定概念どおりの現実を見ることになるのです。
そしてまたネガティブなセルフトークをしてしまい、この流れを繰り返してしまいます。
ネガティブな自己イメージが強固になり負のループにはまります。
ポジティブなセルフトークのメリットは?
ポジティブなセルフトークのメリット
- 自信がつく
- 自己肯定感が上がる
- 行動力が上がる
- 対人関係もスムーズになる
- 小さなことで悩まなくなる
- 問題解決能力も向上する など
自信や自己肯定感が上がると挑戦してみる意欲もわきます。
問題解決のためのことも建設的に検討しよう、というモチベーションにもつながります。
「できる」という自信があるので、問題解決のための行動や対人面でもコミュニケーションをとることが苦になりません。
結果的に人からの評価も上がりやすいのです。
「指示的セルフトーク」で目標達成に近づく
セルフトークにも種類があります。
- 感情に作用するセルフトーク
- 理性に作用するセルフトーク(指示的セルフトーク)
それぞれ解説していきます。
感情に作用するセルフトーク
感情に作用するセルフトークは、自身のモチベーションや感情的な面を促すものです。
「自分にはできない」のようなネガティブなセルフトークもあれば、
「自分にはできる、やれる」とポジティブなセルフトークもあります。
自己肯定感を高めるためには、ネガティブなセルフトークを減らして、ポジティブなセルフトークを増やすことが有効です。
理性に作用するセルフトーク(指示的セルフトーク)
理性に作用するセルフトークは、以下のような建設的な検討を促すものです。
- できなかった理由はなぜか考えてみよう
- なかなか進めまないのはなぜかな?
- 別の方法はないかな? など
感情によって行動が左右されなくなるので、物事をすすめたいときはこちらを使いこなせるようになると良いでしょう。
理性的な行動がを促すため、「自分で行動を変えられる」という自信を得ることにもつながります。
セルフトークを変えるやり方は?
- セルフトークを認識する
- セルフトークを言い換える
手順1:セルフトークを認識する
自分自身のセルフトークを観察し、どんなセルフトークかを自覚していくことが最初のステップです。
愚痴・不満・自己否定などネガティブなセルフトークをしていないでしょうか?
ノートに書き留めていくこともおすすめです。
ネガティブなセルフトークを否定するのではなく、「私ってこういう風に思っているんだなー」とまずは受け止めます。
手順2:セルフトークを言い換える
ネガティブな単語をポジティブに言い換えることを「リフレーミング」と言います。
感情に作用するセルフトークはリフレーミングをいきます。
リフレーミングの例
- 飽きっぽい⇒素直、好奇心旺盛
- 落ち込みやすい⇒真面目に考える、謙虚な姿勢、物事を深く考えられる
- 人に流されやすい⇒相手を尊重している、協調性
- 無口⇒話をよく聞く、思慮深い
- 目立たない⇒控え目
自分で思いつかない場合は検索してみてください。
”リフレーミング 一覧”や”リフレーミング 辞典”などのキーワードで出てきます。
また、物事がうまくいかないときは、理性に作用するセルフトーク(指示的セルフトーク)の問いを自分に投げかけてみてください。
理性に作用するセルフトークの例
- できなかった理由はなぜか考えてみよう
- なかなか進めまないのはなぜかな?
- 別の方法はないかな?
- どうしたらできるかな?
- これをやったら次はどうする?
- 必要な情報はどうやったら得られる? など
注意点
すぐに完璧にできると思わない
セルフトークというのはシンプルですが、奥が深いものです。
注意深く内面を観察すると自分でも意外なセルフトークもあるでしょう。
変えたいセルフトークがあるときは、新しいセルフトークを習慣にしていく必要があります。
習慣化に必要な期間の目安は以下のようなものがあります。
習慣化に必要な目安期間
- 行動の習慣:約1カ月(勉強、日記、読書など)
- 身体のリズムの習慣:約3カ月(運動、早寝早起き、禁酒禁煙など)
- 思考の習慣:約6カ月(ポジティブ思考、論理的思考など)
セルフトークは思考の習慣になるので、約6カ月はコツコツやっていくことになるでしょう。
嘘と思うことを無理矢理セルフトークしない
ネガティブなセルフトークが多かった人が無理矢理ポジティブにしようとするのは注意が必要です。
無理矢理に「私は天才だ!」とセルフトークしようとしても、
「こんなの嘘だよな」と新たにネガティブなセルフトークを生んでしまいます。
嘘だと思ってしまわない範囲でセルフトークを変えていくのがベターです。
できないからといって自己否定・ネガティブなセルフトークをしない
人はネガティブなセルフトークをしやすい傾向にあります。
そして先ほどもご紹介したように、思考の習慣を形成するには約6カ月かかります。
うまくできないからといって、「こんなの意味あるのか」「できない自分はダメだ」と思う必要はありません。
変化が少しずつなので意味がないようにも感じてしまうこともありますが、やれば変わっていきます。
認識できないと変えることもできませんから、「自分はこういうセルフトークをしているんだな」と認識することも大切なことです。
セルフトークを使いこなすことで”なりたい自分”に近づく
セルフトークを変化させていくことで、
前向きになれたり、行動力が上がって問題解決できたり、”なりたい自分”に近づくことができます。
常に自分と一緒にいるのは自分自身。
一番自分が自分のことを変えてあげられるチャンスがあるんですよね。
人間ですから完全にネガティブなセルフトークがゼロになることはありません。
そこから、メンタルを回復させていくしなやかさが大切です。
セルフトークもスキルの1つなので、練習していくことで変えやすくなっていきますよ。